【くま子の冒険 63】

2007-09-19(Wed)
8月5日
 ゴーッというすごい雨音で目が覚めた。
 空が見えないほどに茂った密林の葉に雨粒が当たってすごくうるさい。
 時間的には朝の5時くらいだから、睡眠時間は充分かな。
 あっ。うっかりして外で寝ちゃってたな。
 桃美さんがいる時は、野営用のトラップを仕掛けてくれてたから外でも寝られたけど、これからは召喚ポケットの中で寝ないと……。
 でも、召喚ポケットの中を覗いて見たら前よりちょっと広くなってる感じで、何かこわい。
 召喚ポケットの中はこっちの世界じゃないから、いつどんな風になってしまうのかわからないんだよね。
 それにしても、今日はずっと雨なのかな。
 ちょっと憂鬱だ……。
 でも、もたもたしてたら危ないし、とにかく前進あるのみ。
 蔵王術を使えば、濡れた地面にも足跡を残さずに進めるけど、すごい疲れる。
 桃美さん、ボクがルート変更したことに気づいたかなぁ?
 それとも、まだ魔物の町の地下で大の字になってるのかなぁ……。
 そんなことを考えながら密林の中を進んでいると、前方の木々の間にちらちらと肌色のものが見え隠れしているのに気づいた。
 何かいる?!
 魔物?!
 でも、魔物ならすぐに襲いかかってくるはず。
 この辺りで暮らしている人間かな?
 しばらくの間、ボクの様子を探るように出たり消えたりしていたけど、ちょっと視線をそらした隙に肌色のものは見えなくなってしまった。
 う~ん、何だったんだろう~。
 肌色のものが見えたあたりまでやってきたけど、何かがいた形跡は見つからない。
 っていうか、雨のせいでよくわからない。
 まぁ、危険は無さそうだし、先を急ごう。
 と、思ったら背後からドザアアッと音がした。
 振り返ると地面にぽっかり穴があいている。
 どうやら落とし穴みたいだね。
 蔵王術で歩いていたおかげでボクは落ちずにすんだけど、何かが落ちたみたい。
 そーっと中を覗き込んでみると、穴の底には泥だらけになった人間がいて怯えた顔でボクを見上げている。
「大丈夫?」
「来るな魔物! あっちいけ!」
「魔物じゃないってば」
「ウソだ!」
「何で信じないかな……」
 雨でびしょ濡れになってるとは言え、こんな美少女を魔物呼ばわりとは、頭でも打っておかしくなっちゃってるのかな?
「まぁ、いいや。ばいばい」
「あっ……待て! 助けて!」
「人のことを魔物呼ばわりしといて『助けて』ってどうなのかな?」
「……ごめん……お前は魔物じゃない……」
 意外と素直な奴だな。
 仕方がないから助けてあげるか。
 で、泥だらけでわからなかったけど、縄で引き上げてみたら女の子だった。
 年齢は良くわからないけど、ボクより背が高くて胸も大きい。
 でも童顔でアホっぽい顔をしているから年上って感じはしない。
 彼女はウリムリという名前で、この魔境に住んでるんだって。
 どうやら、この近くには人間の村があって、魔物と戦いながら暮らしているらしい。
 既に雷神の腕を見つけちゃったし、人間の村に寄る用事は無いんだけど、ウリムリが穴に落ちた時に足を挫いたらしく歩けないらしいので、ボクが村に連れて行くことに。
 ううむ、桃美さんから逃げなきゃいけないんだけど、ほとんど全裸なウリムリを置き去りにするなんてボクにはできないよ!
 魔物に見つかったら、間違いなく食べられちゃうしね。
 そんなわけで歩けないウリムリをおんぶしてるから速度が落ちちゃったけど、ウリムリの体温が温かいおかげで雨の中でも体が冷え切らない。
 おまけに生おっぱいが背中にあたってウヘヘな気分。
 ウリムリの胸と腰を隠していた布を包帯代わりにして足に巻いたから、ウリムリはもう全裸も同然なんだよね。
 こんな状況じゃなかったら確実にムフフなことをしちゃってるよ。
 結局、今日はあまり先に進めなかったなぁ。
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