【くま子の冒険 71】

2007-10-17(Wed)
8月13日
 真夜中に叩き起こされ、まだ真っ暗だというのに魔物の前進基地に出発。
 3時間ほど歩いたところで、あの魔物特有の変なニオイが漂ってきた。
 空が薄明るくなってくると森が開けた場所が見えてくる。 
 そこには岸壁に囲まれた感じの場所で小学校のグランドよりもちょっと広い感じ。
 丸太を組み合わせて作った小屋みたいなものが幾つも建てられている。
 まだ暗いから小屋なのか何なのか、本当のところはわからない。
 小屋の周囲の地面には黒い塊が転がっていて、それは寝ている魔物らしい。
 ボクらは魔物に気づかれないように静かに接近……したつもりだったんだけど、魔物たちが目を覚まして騒ぎ出した。
「矢を放て!」
 弓矢を持った者たちが次々と矢を放ち、魔物を攻撃する。
 魔物は、何が起こったのかまだ理解できないみたいでパニックになっている。
 弓矢の攻撃で何匹かの魔物が倒れ、ようやく魔物たちはこちらに襲い掛かってきた。
 ボクらは数人ごとでチームを作りながら森の中に散開し、襲い掛かってくる魔物を迎撃する。
 みんなの戦い具合からすると、魔物のレベルはそんなに高いわけじゃないみたい。
 でも、前進基地にいる魔物の数は数十匹程度では済まない感じで、戦いは混戦状態になってきた。
 さらに、小屋みたいなものの中からは、ちょっと強そうな魔物が現れた。
 ちょっと強そうな魔物は、矢を射っていた若い男に襲い掛かり、彼の首を喰いちぎってしまった。
 ひぃぃぃ~!
 パワー、スピードともに今までの連中とは違う感じ。
 村の人間が太刀打ちできる相手じゃないぞ。
 とりあえず、若い男の遺体をむしゃむしゃ貪っている魔物を蹴り飛ばしてみよう。
 不意打ちを食らった魔物は、蹴り飛ばされた勢いできりもみして地面に激突したけど、ふらふらしながらも立ち上がる。
 やっぱり、今までのよりちょっと強いぞ。
 ちょっと強い魔物は、威嚇するように唸り声を上げると、ボクに飛びかかって来た。
 でも、首に咬みつくという攻撃方法は既に見切った!
 カウンター気味に魔物の喉元に蹴りを食らわせると、ゴキャっという音がして魔物は仰向けにぶっ倒れる。
 もう立ち上がってくる気配はない。
 勝った!
 っても、ちょっと強い魔物は、まだまだいっぱいいる。
 人間側の悲鳴があちこちで上がっていて、かなりヤバイ状況。
 散開しちゃってるせいで、全部を助けには行けない。
 ボクが10匹くらいちょっと強い魔物を倒したところで撤退の合図が出た。
 エニエスとその側近が最後尾を守りつつ、1時間ほど移動。
 魔物たちも、もう追ってこない。
 それにしても、かなり犠牲者が出たよ。
 昨日、エニエスが族長だと教えてくれた女の子の姿も無い。
「こんな事態になってしまい申し訳ありません」
 エニエスは、しょぼんとしている。
 でもヘルトサングのほうは被害が少ないみたい。
 まぁ、実力からしたらヘルトサングはカンディルマよりずっと強いから仕方ないか。
「目的であるイスケヘフを倒せたのが唯一の救いでしょうか……」
「いすけへふ?」
「アウカイアの部下の1匹です。この周辺の魔物はイスケヘフの指揮下にあったのです。手強い相手で、今までに多くの仲間が奴に殺されました……」
「へ~、そんな強いのがいたんだ」
「あなたが倒したのですよ?」
「え?」
 10匹くらい倒したちょっと強い魔物の中にイスケヘフがいたらしい。
 魔物なんて見た目は全部一緒だし、名札とかついてないから、わからないよね。
 ま、イスケヘフを倒したことで、しばらくは魔物の活動も停滞するみたいだし、前線基地を攻撃しに来た甲斐はあったってことなのかな?
 でも、かなりの犠牲者が出てるし、暗い気持ちを晴らすほどの成果とは言い難いよね。
 ボクがもうちょっと頑張ってたら犠牲者を減らせたのかなぁ。
 かなり憂鬱だ……。
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